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カプラー

高周波回路の評価、EMC試験、信号監視を進めるうえで、信号の一部を取り出したり、被試験機器と測定系を適切に切り分けたりする部品は欠かせません。そうした場面で重要になるのがカプラーです。用途によって求められる構造や周波数帯、結合量は大きく異なるため、単に「信号を分ける部品」として捉えるだけでは選定を誤ることがあります。

このカテゴリでは、RF・マイクロ波用途の方向性結合器に加え、EMC測定で使われるカップリング/デカップリングネットワークも含めて、評価・試験の現場で使われる関連製品を探しやすく整理しています。目的に合った機器を選ぶために、役割の違いと確認ポイントを把握しておくことが大切です。

高周波測定やEMC試験で使用されるカプラー関連機器のイメージ

カプラーが使われる代表的な場面

カプラーは、送信系や測定系の信号を監視したいとき、主信号への影響を抑えながら一部を取り出す用途でよく使われます。たとえばマイクロ波帯の測定では、増幅器や伝送路の状態確認、反射や進行波の観測などで方向性結合器が用いられます。

一方、EMC分野ではCoupling Decoupling NetworkCDN/CDNEが重要です。これは単なる分岐部品ではなく、被試験機器に妨害信号を印加したり、不要電磁ノイズを測定ポートへ導いたりしつつ、外部機器側をデカップリングする役割を持ちます。同じ「カプラー」でも、通信コンポーネント用途とEMC試験用途では役割が明確に異なります。

方向性結合器とCDN/CDNEの違い

方向性結合器は、特定方向に進む信号成分を取り出す設計が特徴で、RF・マイクロ波の試験系で広く使用されます。結合度、挿入損失、周波数範囲、コネクタ形状などが選定の中心になります。たとえば KRYTAR 1211 は 1.0 – 12.4 GHz の帯域に対応する例で、広い高周波帯での評価を考える際の参考になります。

これに対してCDN/CDNEは、主にEMC規格に沿った試験系で使われるネットワークです。Tekbox TBCDN-M1、TBCDN-M2、TBCDN-M3、TBCDN-M4 や、Schwarzbeck CDNE M2、CDNE M3 のような製品は、ライン数、周波数レンジ、許容電流、測定ポート構成などが重視されます。関連部品としてアダプターバランが必要になるケースもあります。

選定時に確認したいポイント

まず確認したいのは、使用目的が「信号監視」なのか「EMC試験」なのかという点です。前者なら方向性、結合度、許容入力電力、インピーダンス整合が重要で、後者なら規格適合性、対象ライン数、電圧・電流条件、測定ポート仕様の確認が必要です。

次に見るべきなのが周波数範囲です。たとえば Fairviewmicrowave の SMC4037-20 や SMC4037-30 は 700 MHz - 2.7 GHz 帯の方向性結合器として、比較的明確な使用帯域を想定しやすい製品です。一方で Tekbox TBCDNE-M2 や TBCDNE-M3、Schwarzbeck CDNE M2 / M3 は 30 MHz – 300 MHz 帯のエミッション測定向けで、用途がかなり異なります。

さらに、実運用ではコネクタ形式や周辺機器との接続性も見逃せません。試験系全体の構成によっては、パワーディバイダーアイソレータと組み合わせて、より安定した評価環境を構成することもあります。

EMC試験向けカプラー関連製品の見どころ

EMC用途では、規格への適合性と再現性が重要です。Tekbox TBCDNE-M2 / TBCDNE-M3 は CISPR 15、CISPR 16 系の運用を意識したエミッション向け構成で、測定ポートへの取り出しとAE側のデカップリングを両立させる実務向けの選択肢といえます。Schwarzbeck CDNE M2 / M3 も同様に、ライン数に応じた構成を考えたい場面で検討しやすい製品です。

また、アクセサリの有無も重要です。Tekbox TBCDN-50-150 のような 50 Ω to 150 Ω アダプターは、測定系や校正関連の構成で補助的な役割を担います。主機能を持つ装置ではありませんが、試験セットアップ全体の整合や運用性に関わるため、必要なアクセサリまで含めて確認すると導入後の手戻りを減らせます。

高周波・マイクロ波測定での方向性結合器の考え方

RF測定では、結合度の違いが測定感度や主線路への影響に直結します。たとえば 10 dB、20 dB、30 dB といった違いは、取り出せる信号レベルだけでなく、測定系全体の設計方針にも関わります。KRYTAR 1211 や Fairviewmicrowave SMC4037-20 / SMC4037-30 のような製品を比較する際は、周波数帯と結合量をまず整理すると選びやすくなります。

また、実際の評価環境では、コネクタが SMA なのか N なのか、許容電力がどの程度か、設置スペースに収まるかといった物理条件も無視できません。カタログ上の数値だけでなく、接続先の計測器や治具、既存の試験系との相性まで見て選定するのが実務的です。

主なメーカーから見る製品傾向

Tekboxは、EMC試験で使われるCDN/CDNEや関連アクセサリが中心で、評価セットアップを組みやすいラインアップが特徴です。TBCDNシリーズとTBCDNEシリーズは、イミュニティとエミッションの文脈を分けて見ていくと、必要な機種を絞り込みやすくなります。

Schwarzbeckは、EMC測定向けのCDNE製品で検討されることが多く、試験条件に応じたライン数の違いに着目しやすいメーカーです。KRYTAR や Fairviewmicrowave は、よりRF・マイクロ波寄りの方向性結合器を探す際に有力な選択肢になります。用途別にメーカーを見分けることで、製品探索の効率が上がります。

カテゴリ内で比較するときの進め方

候補を絞る際は、まず用途を「EMC試験系」か「RF信号取り出し系」かで分け、その後にライン数、周波数、結合量、許容電力・電流、コネクタ形式の順で見ていくのが分かりやすい方法です。これにより、似た名称の製品でも役割の違いを整理しやすくなります。

とくにCDN/CDNEは、M1、M2、M3、M4 のような型番差がライン構成や適用条件に関係する場合があります。方向性結合器では dB 値の違いが実測系に大きく影響するため、必要な測定レベルと接続先計測器の入力条件をあらかじめ確認しておくとスムーズです。

まとめ

カプラーは、通信・高周波評価とEMC試験のどちらでも重要ですが、求められる役割は一様ではありません。方向性結合器を探しているのか、CDN/CDNEを含む試験用ネットワークを必要としているのかを明確にすることで、選定の精度は大きく変わります。

このカテゴリでは、Tekbox や Schwarzbeck のEMC関連製品から、KRYTAR や Fairviewmicrowave の高周波向け製品まで比較しながら検討できます。使用周波数、ライン条件、結合量、接続構成を整理し、自社の評価環境に合ったカプラーを選ぶ際の起点としてご活用ください。

























































































































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